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報道被害者支援ネットワーク・東海

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少年似顔絵報道に関する要望

報道被害ネット東海は、最初の活動として、メディアに対する「少年似顔絵報道に関する要望」を結成総会の場で公表しました。これは、名古屋地裁のある少年の刑事事件の公判廷で少年の似顔絵作成とその報道がされたことに関連して、メディアに少年法61条の趣旨および少年の「適正な裁判を受ける権利」への配慮を要望したものです。

要望書の内容は、以下の通りです。

2004年3月13日

マスメディア各位
報道被害者支援ネットワーク東海

私たちは、マスメディアに対して、少年事件報道にあたっては少年法61条の趣旨に 十分配慮すること、及び法廷における似顔絵作成については憲法の保障する 「適正な裁判を受ける権利」に十分配慮することを強く要望します。

2004年2月17日、名古屋地裁で行われた少年逆送事件の公判中、傍聴席最前列で 幾人かのライターが被告人(18歳)の似顔絵を描き、テレビや新聞が似顔絵を 報道しました。その中には、真横から見た少年の克明な似顔絵を放映したものや、 斜め後ろから見た少年の似顔絵をズームアップするものなど、少年の顔をことさら 強調するものもありました。裁判長が弁護人の要請を受けて傍聴席に向かい 少年法61条の趣旨を説明しましたが、構わず続けるようライターに指示した テレビ局の記者もいたようです。

少年法61条は、本人を推知できるような記事・写真の掲載を禁じています。 この趣旨は、テレビ放送にも及ぶとされています。同条は似顔絵について 直接規定していませんが、似顔絵ならば問題がないとはいえません。 優れた絵は、写真にも勝る写実性と表現力をもっています。 似顔絵は、写真以上に本人を推知させる場合もありえます。 そのような似顔絵は、本人を推知できる「記事」に該当すると思われます。

さらに重要なことは、このような状況が被告人の適正な裁判を受ける権利を 侵害していると考えられることです。 公判中の写真撮影が禁止されていることは、周知されています。 現在メモは認められていますが、メモを取るのと似顔絵を描くのとは全く異なります。 幾人ものライターが傍聴席最前列に陣取り、筆音が被告人の耳に届くような 距離から1時間以上にわたって似顔絵を描くことは、被告人の集中力を乱し、 大きな心理的圧力ともなり、被告人の手続へ参加する権利を侵害し、 防御権の行使を妨げるおそれがあります。

表現の自由は、憲法上の最重要の権利のひとつです。しかし同時に、 適正な裁判を受ける被告人の権利も、十分に保障されなければなりません。 とりわけ、本件のような少年の被告人については、一層の配慮が必要です。

裁判の公開も、憲法で保障された重要な制度です。 しかし、公開されるべきは裁判手続であって、少年の顔や容姿ではありません。 真に報道されなければならないのは、事件のプロフィール、つまり、 なぜこのような事件が起きたのか、今後同種の事件が繰り返されないためには 何が必要かということではないでしょうか。

私たちは、マスメディアに対して、今後、少年が関係する事件においては、 上記のような似顔絵報道の問題性、及び法廷で似顔絵を描くことの問題性を 十分考慮した上で、国民の知る権利に応える報道をされるよう強く要望します。

 

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