報道被害ネットについて
報道被害とは?
皆さんはテレビ、新聞、週刊誌などの事件・事故の報道をなにげなく見ていませんか?
多くの報道の背後では、大勢の取材陣に押しかけられて、 容疑者・被害者やその家族ばかりでなく、 地域の人たちまでもが大きな迷惑・苦痛を受ける場合があります。 これを、「取材被害」と言います。
また、間違った報道や個人の名誉・プライバシーに関わる報道で、 報道された人が大きな迷惑・苦痛を受ける場合もあります。 これを、「報道被害」と言います。 私たちは、この両方を広い意味での「報道被害」ととらえ、 その被害を受けた人を「報道被害者」と呼んでいます。
設立の経緯
日本で報道被害が注目されるようになったのは、1980年代の半ば頃からです。東海地方では、1986年に、市民によって「マスコミと人権を考える東海の会」が設立され、ジャーナリスト、研究者、弁護士等も関わって報道被害問題に取り組んできました。また、名古屋弁護士会も、人権擁護委員会人権と報道部会を中心にこの問題に積極的に取り組んできました。両者のシンポジウムなどでは、公人以外の一般市民に関する報道を匿名にすること、報道評議会の設立などが提言されました。
しかし、メディアの側は、呼び捨てにしていた犯罪容疑者に「容疑者」の呼称を付ける、軽微な事件については匿名の範囲を広げる、放送に関する一種の報道評議会としてBRC(放送と人権等権利に関する委員会)を設立する、新聞各社が社内に報道被害に対応する委員会を設置する等の不十分な対応をするにとどまっています。2001年・2002年には、いわゆる「メディア規制3法案」(個人情報保護法案・人権擁護法案・青少年有害社会環境対策基本法案)による法規制の脅しがかけられましたが、それでもメディアは抜本的な改革を行おうはしませんでした。
このような状況に危機感を抱いた「東海の会」と名古屋弁護士会の有志を中心とした多くの市民が、放置されたままの報道被害者をサポートし、メディアの積極的な対応を促すための新しい市民ネットワークである「報道被害者支援ネットワーク・東海」の設立に立ち上がりました。そして、2004年3月13日に松本サリン事件報道被害者の河野義行さんと甲山事件報道被害者の山田悦子さんをゲストに迎えて設立総会を開催し、4月から活動を開始したのです。
趣旨・目的
報道被害ネット東海は、弱い立場にある報道被害者を助言・支援してその被害回復・救済を援助するとともに、助言・支援活動およびその他の活動を通じて報道被害の防止を図ることを目的としています。
マスメディアが多くの資金、多数の社員、そして顧問弁護士を抱える強力な組織・企業であるのに対して、一介の市民にすぎない報道被害者は、経済的にも、人的にも、非常に弱い立場にあります。そのような報道被害者が一人でメディアに立ち向かうのは、容易ではありません。報道被害ネット東海は、そのような報道被害者に、市民的立場から専門的見地を含めた助言・支援を提供します。それによって、報道被害者は、メディアに立ち向かう力が増してきます。今まで泣き寝入りしていたような報道被害者が力を増してメディアに被害を訴えるようになれば、報道被害の救済が進み、メディアも報道被害救済・防止のための自律的システムの構築に動かざるをえなくなります。
報道被害ネット東海は、あくまでも報道の自由を擁護する立場から、報道被害のメディアによる自律的な救済・防止を求めています。メディアに報道被害の救済・防止を厳しく求めていきますが、いたずらにメディアを悪者視したり敵対したりするものではありません。報道被害ネット東海の最終的な目標は、人権を侵害するのではなく人権を擁護する真のジャーナリズムの実現です。報道被害ネット東海は、真のジャーナリズムの実現のために、粘り強い活動を続けていきます。
こんな活動をしています
報道被害ネット東海は、その目的を実現するために、次のような活動を行っています。
1 報道被害についてのEメール、手紙による相談。
2 報道被害者への助言や支援(必要な場合は弁護士が助言・支援)。
3 報道被害に関する提言、メディアへの要望。
4 報道被害問題に関する学習会、研究会、講演会の開催。
5 活動の趣旨に賛同する諸団体との連携。
運営委員
報道被害ネット東海の運営委員は、以下の6名です。
平川宗信(代表。中京大学教授・名古屋大学名誉教授) 澤 健二(事務局長・弁護士) 岩崎建弥(フリージャーナリスト・元中日新聞) 加藤悦子(日本福祉大学教員) 高橋恒美(フリージャーナリスト・元読売新聞) 野々垣真美(会社員・メディアリテラシー倶楽部会員)
ぜひ入会を!
報道被害者支援ネットワーク・東海は市民団体です。
報道被害について学びたい、私たちといっしょに予防に取り組んでいきたいと思われる方、ぜひご入会ください。特に資格はいりません。入会された方にはニュースレターを送付し、セミナーなどの企画をご案内します。
皆さまの入会をお待ちしております!